EC担当者の77.8%が「運用開始後に対応品質が下がった」と実感、費用や改善スピードに不満

調査回答者の属性

回答者の内訳は男性61.8%、女性38.2%で、年齢層は30代(27.6%)と40代(27.1%)が中心を占めています。20代も15.1%含まれており、現場の担当者のリアルな課題感が反映されているのが特徴です。また、50代以上も約30%を占めることから、意思決定層や管理職の視点も一定程度含まれています。

年齢層ごとの割合を示した円グラフ

運用ECサイトの年商規模については、「1億円未満」が31.3%で最多ですが、「1〜5億円未満」が23.7%、「5億円以上」が合計36.3%と、小規模から大規模まで幅広い事業者が含まれています。特に10億円以上のEC事業者も22.7%を占め、運用負荷やベンダー管理が高度化した企業の課題も反映されています。

年商規模ごとの割合を示す円グラフ

エグゼクティブ・サマリー

本調査のエグゼクティブ・サマリーでは、以下の点が特に印象的であるとされています。

ビジネスシステムに関する課題を示すデータ

  • ECカートにかかる費用を「高い」と評価する回答者が73.7%に上る。

  • ECカートの乗り換えにおける最大の課題は「費用」であり、55.6%が回答。カスタマイズが身動きを封じている状況も指摘されている。

  • 構築・導入フェーズでは手厚いサポートがあったものの、運用フェーズで対応品質が低下したと感じる回答者が77.8%に達する。

  • 第三者介入によって「業務効率・コミュニケーションがスムーズになる」と81.3%が回答し、明確な支援ニーズが存在する。

  • 不満の原因は「担当者個人」ではなく、ベンダーの「体制・仕組み」にあると87.0%が指摘している。

ECマーケティング株式会社 執行役員の伊藤肇氏は、本調査でEC担当者の不満が「機能不足」ではなく、「改善を進めるための運用体験」に集中している点が印象的だったとコメントしています。ECカート市場は機能競争から、運用品質、改善スピード、コミュニケーション品質が競争力となる時代へ移行していることが示唆されています。

各設問の詳細

ECカートの費用に関する評価

ECの成果やコストパフォーマンスを踏まえたECカートの費用評価では、「非常に高いと思う」「やや高いと思う」の合計が73.7%に達しています。これは単純な金額への不満だけでなく、改善スピード、柔軟性、提案力など、期待成果とのバランスに対する不満が強いと推察されます。

ある費用に対する意識調査の円グラフ

ECカートベンダーの対応に関する不満

ECカートベンダーの対応に関する不満として、「回答が曖昧」(44.4%)が最多でした。これはレスポンス速度以上に、判断材料の不足や説明責任不足への不満が強いことを示しています。また、「見積もり根拠が不透明」「改善提案が少ない」も高水準であり、EC担当者は単なる作業代行ではなく、改善パートナーとしての役割を期待していることが伺えます。

顧客からの不満点をまとめた棒グラフ

ECカート見直しの障壁

ECカートを見直す際に動きにくい理由として、最多は「費用が膨らみそう」(55.6%)でした。これはECカートのスイッチングコストの高さが大きな障壁となっていることを示しています。その他、「カスタマイズ再構築負担」「業務フロー影響」「売上減少リスク」など、技術・運用・売上が密接に結びついているため、不満があっても動けない企業が多い状況が浮き彫りになりました。

何らかの導入や変更における懸念事項を示したグラフ

運用開始後の対応品質低下

構築時はサポートが手厚かったものの、運用開始後に対応品質が下がったと感じたことがあるかという問いに対し、「強く感じる」「やや感じる」が77.8%となりました。これは、多くの企業が契約前後の温度差を経験していることを示しており、EC支援業界において継続運用フェーズの顧客体験が課題である可能性が指摘されています。

第三者支援への期待

ECサイト運営において、自社とECカートベンダーの間に立って情報整理・調整・客観的な判断をしてくれる第三者(支援会社)がいれば、業務効率やコミュニケーションはスムーズになると思うかという問いに対し、81.3%が「第三者がいた方が良い」と回答しました。特に、情報整理、進行管理、客観評価といったPMO的役割への期待が強いことが示されています。

ある問いに対する回答の割合を示した円グラフ

ECカートシステム業界・ベンダー対応に関する実感

ECカートシステム業界またはベンダー対応についての実感では、「改善したいことがあってもすぐ動けない」「ベンダー対応にばらつきがある」がともに39.8%で最多となりました。多くのEC企業が「現状維持はできるが、改善速度が足りない」という停滞感を抱えていることが示されています。

業務運用に関する様々な課題や不満の割合を示した棒グラフ

本調査の全ての調査結果は、以下のリンクから確認できます。

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