【2026年最新版】小売チェーン・コンビニ型リテールメディア完全ガイド|主要サービス一覧・デジタルサイネージ広告・活用戦略

【2026年最新版】小売チェーン・コンビニ型リテールメディア完全ガイド

リテールメディアとは、小売業者が自社の購買データや販売チャネルを活用して広告配信を行うメディアプラットフォームのことです。2025〜2026年にかけて日本国内でのリテールメディア市場は急拡大し、コンビニエンスストア・スーパーマーケット・ドラッグストア・ECプラットフォームが競い合うように新サービスを展開しています。

本記事では、2026年2月時点の最新情報をもとに、日本の小売チェーン・コンビニ型リテールメディアの主要サービスを網羅的に解説します。さらに近年急速に普及が進む「デジタルサイネージ広告」にも焦点を当て、実店舗での購買接点を最大限に活用するためのポイントを詳述します。

広告主・マーケター・小売業界関係者の方はぜひ最後までお読みください。 

リテールメディアとは?2026年の市場規模と最新動向

リテールメディアの定義と進化

リテールメディア(Retail Media)とは、小売業者が自社プラットフォーム上で広告スペースを提供し、メーカーやブランドに対して広告配信を行うビジネスモデルです。ECサイトの検索結果・商品詳細ページ・アプリ内バナーだけでなく、実店舗のデジタルサイネージや電子棚札(ESL)まで、顧客の購買導線全体をカバーするメディアとして急速に進化しています。

2026年現在、リテールメディアは「小売業者による広告事業」から、ファーストパーティデータを核とした「データドリブン広告プラットフォーム」へと変貌しています。AIによるリアルタイム最適化、クリーンルーム技術によるプライバシー保護、オフライン購買データとオンライン行動データの統合が実現し、従来の媒体広告とは一線を画す精度と効果を提供しています。

2026年・国内外の市場規模

グローバル市場では、リテールメディア広告費は2025年に約1,700億ドルを超え、2026年には約610億ドル超に達すると推計されています(※1 Insider Intelligence調査)。デジタル広告全体に占めるリテールメディアの割合は約22%に達し、今やソーシャルメディア広告を追い越す存在感となっています。

日本国内においても、2025年のリテールメディア市場規模は約5,000億円に達し、2026年は6,000億円超が見込まれています。特に注目すべきはオフライン(実店舗)のデジタルサイネージ広告の急拡大で、全体市場の約30%をインストア広告が占めるようになっています。コンビニ・ドラッグストア・スーパーが整備を進めるデジタルサイネージネットワークが市場成長を牽引しています。

※1:Insider Intelligence What you need to know about retail media in 5 charts

2026年のリテールメディア主要トレンド

  • Cookieレス完全移行に伴う、小売ファーストパーティデータの価値急騰
  •  生成AIによる広告クリエイティブの自動生成・パーソナライズが本格普及
  •  電子棚札(ESL)と連動したダイナミックプライシング広告の台頭
  • クリーンルーム技術による複数小売業者間のデータ共有(RMN:リテールメディアネットワーク)の形成
  • 店頭デジタルサイネージのプログラマティック化・AIターゲティングの実装
  • リテールメディアとCTVおよびSNS広告との統合計測(コネクテッドコマース)の進展

コンビニ型リテールメディア一覧(2026年最新版)

日本のコンビニ大手3社はいずれも独自のリテールメディア戦略を強化しており、2025〜2026年にかけてデジタルサイネージの全店舗展開、AIターゲティングの本格導入、データ提供サービスの拡充が進んでいます。

セブン-イレブン「7iD広告プラットフォーム」

セブン&アイ・ホールディングスの「7iD(セブンアイディ)」は、MASTRUMが販売しています。2026年現在で会員数は3,500万人超にまで成長しています。2025年にはセブン銀行・オムニ7・SEJ(海外セブン)とのデータ統合が完了し、国内外の購買行動を網羅したプラットフォームへと進化しました。

2026年の主な強化点】

  • 7iD Pro(法人向けデータ分析ツール)の提供開始
  • 全国2万店舗への「スマートスクリーン(デジタルサイネージ)」設置完了
  • セルフレジ連動型の購買後リターゲティング広告の実装
  • nanaco電子マネーデータ × ECデータの統合ターゲティング強化
  • 生成AI活用の自動クリエイティブ生成ツール「7AD Creative AI」提供開始

2026年の最大の変化は、セルフレジ端末を活用した「購買完了直後広告」です。精算を終えた消費者に対して次の来店促進クーポンやクロスセル広告をリアルタイム配信する仕組みが注目を集めています。

ローソン「Ponta(ポンタ)Ads × au リテールメディア」

ローソンはKDDIとの経営統合強化により、2026年時点で通信キャリア(au)データと購買データを完全に統合したハイブリッドリテールメディアを確立しています。Pontaポイント会員数は1億3,000万人超(2026年推計)を誇り、au IDとのシームレスな連携によって通信・購買・決済の三軸データを活用できる点は業界唯一の強みです。

2026年の主な強化点】

  •  auデータ統合による「デモグラフィック×購買×通信行動」の三軸ターゲティング
  • ローソン全店舗でのデジタルサイネージ「Loppiビジョン」全国展開完了
  • au PAY × Ponta連動の「ダイナミッククーポン」自動最適化
  • ローソンスムージー等ヘルスケア購買データを活用した健康訴求広告
  • メタバース内ローソン(仮想店舗)での広告配信の試験導入

ファミリーマート「ファミペイ広告プラットフォーム」

ファミリーマートは2025〜2026年にかけて、店頭デジタルサイネージ「FamiVision(ファミビジョン)」の全国16,000店舗超への展開を完了しました。ファミペイアプリの会員数は3,500万人超に達しており、アプリと店頭サイネージを連動させた「クロスメディア広告」が最大の差別化ポイントとなっています。

2026年の主な強化点】

  • FamiVision全店舗展開完了(入口・通路・レジ前の3拠点設置)
  • ファミペイアプリ開封時の位置情報連動サイネージ広告(入店検知広告)
  • ファミマTカード × T-POINTデータを活用したクロスリテールターゲティング
  • AIによるリアルタイム在庫連動型広告(欠品商品の広告自動停止)
  • ファミマ公式EC「ファミマネットストア」開設に伴うオムニチャネル広告強化

スーパーマーケット・ドラッグストア型リテールメディア一覧

イオン「iAEONリテールメディア」

イオングループは2026年、「iAEON(アイイオン)」アプリを核としたリテールメディア事業を大幅に強化しました。WAONポイント会員7,500万人超のデータに加え、イオンシネマ・イオンスポーツなど非購買データも統合。グループ内最大級のリテールメディアネットワーク「AEON Media Network(AMN)」を立ち上げ、イオンモール・マックスバリュ・ウエルシア・ミニストップを横断した統一的な広告配信が可能になりました。

  • グループ横断のデータ統合基盤「AMN Data Hub」稼働
  • イオンモール全国180施設のデジタルサイネージをプログラマティック配信化
  • WAONポイント × イオンカードのクレジットデータ連動広告
  • インストアセンサーによる来店者属性リアルタイム分析の広告最適化

ウエルシア「ウエルシアリテールメディア」

ドラッグストア最大手ウエルシアホールディングス(ウエルシア・HAC薬局・クリエイトS・Dなど)は、2026年に「ウエルシアリテールメディア」として広告主向けの正式サービスを開始しました。医薬品・ヘルスケア・美容のカテゴリ特化データを武器に、製薬メーカー・化粧品ブランドからの広告需要が急増しています。

特に2025年からのOTC医薬品広告規制緩和の流れを受け、処方箋不要の医薬品に関するターゲティング広告が急拡大。WAON POINTとの連携でイオングループとのクロスリテール施策も可能です。

マツキヨココカラ&カンパニー「matsukiyo Ads」

マツキヨココカラ&カンパニーは2025年に広告事業ブランド「matsukiyo Ads(マツキヨアズ)」を正式ローンチ。国内3,000店舗超と自社EC「マツキヨネット」のデータを統合し、美容・コスメ・ドラッグカテゴリに特化したリテールメディアを提供しています。

2026年の目玉施策として、AR(拡張現実)を活用した「バーチャル試着・試し塗り広告」を導入。アプリ上で化粧品を仮想的に試せる体験広告は特に10〜30代女性への高い訴求効果を持ち、広告主からの注目が集まっています。

コスモス薬品クリエイトエス・ディーなど地域ドラッグストアのリテールメディア

コスモス薬品(九州・西日本)、クリエイトエス・ディー(首都圏・関東)、サンドラッグ、スギ薬局などの地域ドラッグストアも、2025〜2026年にかけて独自のリテールメディア事業を本格化させています。地域特性の高い購買データと、地域に根付いた配荷ネットワークを活かしたローカルリテールメディアは、全国展開を持たないローカルメーカーや地域企業にとって非常に有効な広告媒体です。

EC・オムニチャネル型リテールメディア一覧

楽天市場「楽天広告(Rakuten Marketing Platform)」

楽天グループは2026年現在、楽天IDを核とした「楽天エコシステム広告」を全面刷新しました。楽天市場・楽天カード・楽天モバイル・楽天証券・楽天トラベルの5大サービスのデータを統合した「Rakuten Data Hub」が稼働し、消費・金融・通信・旅行の四軸を組み合わせた業界最高水準のターゲティングが実現しています。

  • 楽天スポンサープロダクト広告の自動入札AI「R-AutoBid」全面展開
  • 楽天TV・楽天Vikiを活用したCTV(コネクテッドTV)広告との連携
  • 楽天ペイ実店舗決済データを活用したO2O(オンライン→オフライン)施策
  • 楽天リテールメディアネットワーク(RMN)の外部小売パートナー拡大

Yahoo!ショッピング「LINEヤフー for Business」

LINEヤフーは2025年のブランド統合以降、Yahoo!ショッピング・LINEショッピング・PayPayモールの広告インフラを統合し「LINEヤフーコマース広告」としてリニューアルしました。LINEの月間アクティブユーザー9,500万人超とYahoo! JAPANの月間利用者8,000万人超の双方へのリーチが最大の強みです。

2026年の新機能として、LINEのトーク画面内へのパーソナライズ商品広告配信(購買データ連動)と、PayPay残高に応じたダイナミッククーポン広告が注目を集めています。

Amazon「Amazon Ads Japan」

Amazon Adsは2026年現在も日本市場で急成長しており、スポンサープロダクト・スポンサーブランド・スポンサーディスプレイの3形式に加え、「Amazon DSP(デマンドサイドプラットフォーム)」による外部サイト配信が本格化しています。2025年からは「Amazon Marketing Cloud(AMC)」を日本市場に正式提供し、クリーンルーム環境での詳細な効果測定と広告主のファーストパーティデータとの掛け合わせが可能になりました。

ZOZO「ZOZOTOWN Ads」

ZOZOTOWNは2026年にリテールメディアサービス「ZOZOTOWN Ads」を大幅刷新。ファッション購買データ・ZOZOFITの身体計測データ・SNS連携データを統合した「Fashion Intelligence Targeting」を導入しました。ファッションブランドが特定のサイズ・スタイル嗜好を持つユーザーに対してピンポイントでリーチできる点が高く評価されています。

デジタルサイネージ広告の最新動向と主要サービス

デジタルサイネージ広告は、2025〜2026年にかけてリテールメディアの中核的な広告フォーマットとして急速に存在感を高めています。コンビニ・スーパー・ドラッグストア・ショッピングモールの店頭に設置されたデジタルサイネージは、購買直前の消費者へのリーチとして他の媒体では代替不可能な価値を持っています。

デジタルサイネージ広告の基本と種類

リテールメディアにおけるデジタルサイネージは、設置場所と目的によって以下のように分類されます。

  1. エントランスサイネージ:来店直後の消費者への認知・誘導広告(最も多くのリーチ)
  2. 通路・棚サイネージ:カテゴリ探索中の消費者への商品訴求・比較促進
  3. レジ前・決済サイネージ:購買決定直前・直後の最終プッシュ広告(最高コンバージョン率)
  4. セルフレジ端末サイネージ:購買完了後のクロスセル・次回来店促進広告
  5. 電子棚札(ESL)連動広告:商品棚の価格ラベルと連動したダイナミック広告

主要なデジタルサイネージリテールメディアサービス一覧

セブン-イレブン「デジタルサイネージ広告」

2026年に全国2万店舗への設置が完了したセブン-イレブンのデジタルサイネージネットワーク「7 Smart Screen」は、日本最大のインストアデジタルサイネージ広告媒体です。レジ前・入口・マルチコピー機周辺の3拠点に設置されており、1日あたりの広告インプレッション数は推計3,000万超に達しています。

  • 7iD購買データと連動したリアルタイムターゲティング配信(時間帯・客層別)
  • プログラマティック配信に対応(DSP経由での入札も可能)
  • AIによる自動クリエイティブ最適化(商品別・天候別・時間帯別)
  • 購買データを活用したアトリビューション計測(広告接触→購買転換の追跡)

ローソン「デジタルサイネージ広告」

ローソンのデジタルサイネージ「Loppi Vision」は、全国14,000店舗超に設置された統合型インストアメディアです。Loppi端末(マルチメディア端末)と連携した双方向性が最大の特徴で、消費者がサイネージに表示されたQRコードをスキャンすることでクーポン取得やキャンペーン参加が可能なインタラクティブ広告を実現しています。

  • Ponta × au IDデータを活用した個人単位のパーソナライズ広告配信
  • 天候・時間帯・地域別の自動クリエイティブ切り替え
  • Loppi端末との連動によるインタラクティブキャンペーン(QRコード誘導)
  • LTV(顧客生涯価値)最大化を目的とした継続購買促進広告

ファミリーマート「FamilyMartVision(ファミリーマートビジョン)」

2026年に全店展開を完了したファミリーマートの「FamilyMartVision」は、入口・通路・レジ前の三拠点サイネージシステムです。ファミペイアプリとの連動により、来店を検知したタイミングでアプリと店頭サイネージが同時に個人化広告を配信する「クロスチャネル同時配信」が実現しています。

  • 入店検知(位置情報)連動:来店直後にアプリとサイネージが同時に個人化広告を表示
  • 在庫連動型広告:在庫切れ商品の広告をリアルタイムで自動停止・切り替え
  • AIセンサーによる来店者属性推定と広告自動最適化(年代・性別推定)
  •  購買後フォロー広告:購買完了後のレシート連動クロスセル広告

イオン「AEON チャンネル」

イオングループは国内最大規模のデジタルサイネージネットワーク「イオンチャンネル」を展開しています。イオンモール全国180施設内の大型ビジョン・フロアサイネージ・テナント前サイネージを統合管理し、週末に数万人が訪れる商業施設全体をカバーするメガリーチ広告媒体として機能しています。

  • イオンモール内の大型LEDビジョン(最大10m×5m)の動画広告
  • WAONポイントカードデータと連動したフロア別・時間帯別ターゲティング
  • テナント誘導型サイネージ(特定店舗への送客広告)
  • イオンシネマ・フードコートなど非食品カテゴリとの複合アプローチ

マツキヨココカラ&カンパニー「Matsukiyo Ads」

マツキヨココカラ&カンパニーは2025年に「Matsukiyo Ads」ネットワークを全国3,000店舗へ展開完了しました。化粧品カウンター前・医薬品棚前・レジ前の3拠点に設置され、特に美容・スキンケアカテゴリでの高精度なターゲティングが強みです。

  • ARミラー連動型「バーチャル試着サイネージ」(コスメ専用)
  • 購買データ連動のクロスセル推薦サイネージ(購買アイテムと相性の良い商品を自動表示)
  • 製薬メーカー向け「薬剤師連動広告」(薬剤師がいるタイミングでの医薬品広告配信)
  • 天候・花粉情報連動型広告(花粉症シーズンに自動で関連医薬品広告を強化)

▶ サードパーティ型リテールデジタルサイネージプラットフォーム

小売業者独自のサイネージシステムに加え、複数小売店舗のサイネージを横断して広告配信できるサードパーティ型プラットフォームも台頭しています。代表的なサービスを紹介します。

主要プラットフォーム一覧

  • フルスクリーン(Fullscreen)
    コンビニ・スーパー横断のプログラマティックサイネージ広告
  • シームレス(SEAMLESS)
    ドラッグストア・薬局専門のサイネージネットワーク
  •  Vistar Media Japan
    海外発のDOOH(Digital Out-of-Home)プログラマティックプラットフォームの日本展開
  • JC OUTDOOR(JCOアウトドア)
    スーパー・コンビニ駐車場サイネージの統合管理
  • DOOH.jp
    国内独立系のデジタルOOHプログラマティック広告配信ネットワーク

これらのプラットフォームを活用することで、特定の小売チェーンに限定せず複数業態にまたがる大規模なインストアリーチを効率的に獲得することが可能です。

リテールメディアの広告フォーマット比較

リテールメディアの広告フォーマット比較

2026年現在、リテールメディアで利用できる広告フォーマットは多様化しています。目的・ターゲット・予算に応じて最適なフォーマットを選択することが重要です。

オンライン広告フォーマット

スポンサード広告(検索連動型)は、消費者がECサイト内で商品を検索した際に検索結果上位に表示されるもので、購買意向の高いタイミングでのリーチが可能です購入直前の消費者へのアプローチができるため、食品・日用品カテゴリを中心にROAS(広告費用対効果)が非常に高い傾向にあります。

ディスプレイ広告はブランド認知拡大を目的としたバナー広告で、ECサイトのトップページ・カテゴリページ・商品詳細ページなどに掲載されます。購買データを活用したリターゲティングにも効果的です。2026年に注目されているのが「ビデオ広告」で、商品詳細ページ内での動画広告が急増しており、コンバージョン率が静止画バナーの約3倍というデータも報告されています。

インストア・デジタルサイネージ広告フォーマット

インストア広告は「デジタルサイネージ(動画・静止画)」「インタラクティブ広告(QRコード・タッチ対応)」「電子棚札(ESL)連動広告」の3形式が主流です。特にレジ前のサイネージは購買直前の消費者に最後の一押しをする「ラストワンマイル広告」として効果が高く、他媒体比較で購買転換率が平均40〜60%高いとの調査結果もあります。

アプリ・プッシュ通知広告

小売業者のスマホアプリを活用した広告は、位置情報・購買履歴・閲覧行動を組み合わせた高精度なパーソナライズ広告が可能です。2026年のトレンドとして「入店検知プッシュ通知広告」が急増しており、消費者が店舗に近づいた瞬間にパーソナライズされたクーポンを自動配信する施策は、来店頻度と購買単価の双方を向上させることが実証されています。

リテールメディア活用のメリットと課題(2026年版)

広告主側の主なメリット

  1. 購買データに基づく高精度ターゲティング(実購買者へのピンポイントリーチ)
  2. Cookieレス対応:ファーストパーティデータのため、Cookie廃止の影響を受けない
  3. 購買ファネル全体のカバー:認知→検討→購買→リピートまで一気通貫の施策が可能
  4. 高い効果測定透明性:広告インプレッションから購買転換まで一気通貫で追跡可能
  5. インストア広告との統合:オンライン広告と店頭サイネージの相乗効果が証明されている
  6. 競合ブランドへの対抗:自社商品カテゴリのページに競合ブランドが出稿している場合、スポンサード広告で上位表示を確保できる

主な課題と2026年の解決策

課題の第一は「プラットフォームの乱立とデータ分断」です。各小売業者が独自のプラットフォームを持つため、複数媒体を横断した統一管理・分析が困難でした。2026年現在、クリーンルーム技術の標準化と業界横断のAPI整備が進んでおり、Google製のAds Data Hubや楽天AMC、Amazon AMCなどを活用したクロスプラットフォーム分析が実現しつつあります。

課題の第二は「広告単価の上昇」です。リテールメディアへの注目集中により、特に食品・日用品・美容カテゴリでのCPC・CPMは2023年比で1.5〜2倍に上昇しています。AIによる自動入札最適化と、スポンサード広告以外のブランディングフォーマット(動画広告・サイネージ)へのバジェットシフトが有効な対策として定着しています。

課題の第三は「クリエイティブ品質の均一化」です。多数のリテールメディアに出稿する際、各プラットフォームの仕様に合わせたクリエイティブ制作コストが増大しています。生成AIを活用したクリエイティブ自動生成・サイズ自動変換ツールの普及により、2026年はこの課題が大幅に緩和されつつあります。

広告主が押さえるべきリテールメディア選定ポイント(2026年版)

多様なリテールメディアの中から自社に最適なプラットフォームを選ぶためには、以下の6つの観点から評価することが重要です。

  1. ターゲット親和性:自社の主要顧客が多く利用するプラットフォームを最優先で選択する
  2. カテゴリ適合性:食品・日用品はコンビニ/スーパー、美容・健康はドラッグストア、ファッションはZOZO等を優先
  3. データの質と量:会員数だけでなくデータの深さ(購買頻度・購買単価・カテゴリ多様性)を確認する
  4. サイネージとアプリの統合:オンライン×オフラインのクロスメディア施策が可能かを確認
  5. 効果測定の透明性:アトリビューション(購買転換の貢献度分析)の精度と計測範囲を評価する
  6. プログラマティック対応:DSP経由での自動入札・広告配信の最適化が可能かどうかを確認

2026年において特に重要な選定基準となっているのが「クリーンルーム対応」です。広告主が自社の顧客データ(メールリスト・CRMデータなど)を小売業者のデータと安全にマッチングできるクリーンルーム環境を提供しているかどうかは、リテールメディア選定における重要な差別化ポイントとなっています。

また、単一のリテールメディアだけでなく複数を組み合わせた「マルチリテールメディア戦略」の構築が2026年のスタンダードです。コンビニのアプリ広告で日常的な認知を形成し、ECプラットフォームのスポンサード広告で購買転換を促進し、ドラッグストアのサイネージ広告で店頭想起率を高めるといった統合的アプローチが最大の効果を生みます。

今後のリテールメディア市場展望(2026〜2028年)

AIとリテールメディアの深化

2026〜2028年のリテールメディア市場を牽引するのは「AIの全面統合」です。広告クリエイティブの自動生成・入札最適化・ターゲティング精度向上のすべてにAIが組み込まれる時代が到来しています。特に注目されるのが「予測購買AI」で、過去の購買パターンと行動データから次の購買行動を高精度で予測し、購買直前に最適な広告を最適なチャネルで配信する仕組みが実用化されつつあります。

リテールメディアネットワーク(RMN)の本格形成

20272028年にかけて、複数の小売業者がデータを共有・統合する「リテールメディアネットワーク(RMN)」の本格形成が日本市場でも進む見通しです。Tポイント・Vポイントを運営するCCCと複数小売業者との連携、または楽天ポイント加盟店のデータ統合プラットフォーム化などが検討されています。RMNが実現すれば、広告主は単一のプラットフォームで複数の小売業者にまたがるリーチを獲得できるようになります。

コネクテッドコマース(Connected Commerce)の普及

テレビ広告・SNS広告・リテールメディアを統合計測する「コネクテッドコマース(Connected Commerce)」の概念が20262028年にかけて日本市場でも標準的なアプローチになると予想されます。CTV(コネクテッドTV)でテレビCMを視聴した消費者が、翌日にコンビニアプリでクーポンを受け取り、実店舗でその商品を購入するという購買ジャーニー全体を一気通貫で計測・最適化できる環境が整いつつあります。

電子棚札(ESL)とサイネージの融合

20272028年には、電子棚札(ESLElectronic Shelf Label)とデジタルサイネージが完全に統合された「スマート棚広告」の普及が見込まれています。商品棚の価格ラベルがダイナミックに変化し、広告主のキャンペーン情報・値引き情報・ポイント倍率情報をリアルタイムで表示する仕組みが、購買最終判断点での強力なプッシュ広告として機能します。

まとめ

本記事では、2026年最新版として日本における小売チェーン・コンビニ型リテールメディアの主要サービスを網羅的に解説しました。セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマートのコンビニ大手3社、イオン・ウエルシア・マツキヨコクミン等のスーパー・ドラッグストア、楽天・Yahoo!・AmazonなどのEC大手まで、日本のリテールメディアは急速に高度化・多様化しています。

特に2026年のトレンドである「デジタルサイネージ広告」は、購買直前の消費者へのリーチ手段として他媒体を凌駕する効果を持ち、コンビニ・スーパー・ドラッグストアの全国ネットワークを活用した超大規模インストアメディアとして確立されています。アプリ広告との連動、AIによるリアルタイム最適化、購買データとの統合計測が実現した2026年のデジタルサイネージ広告は、もはや「単なる店頭POP」の延長ではなく、データドリブンな次世代リテールメディアの中核フォーマットとなっています。

リテールメディア活用を検討されている方には、まず自社商品カテゴリと最も親和性の高いプラットフォームから小規模テストを実施し、購買データを使ったアトリビューション計測でROASを厳密に評価してから投資を拡大していくアプローチを推奨します。

2026年は、リテールメディアが「有望な新興広告媒体」から「マーケティング戦略の中核インフラ」へと完全に移行する年です。今こそリテールメディア戦略を本格的に構築し、競合に先んじたデータドリブンマーケティングを実現しましょう。